第7回:Colibbon、プログラミング教室の挑戦!その1
連載コラム「プログラミング教育を語る!」の第7回目です。
第7回と第8回は、私が事業しているColibbon(コリボン)のプログラミング教室について紹介しようと思います。
私は2019年3月7日から個人事業としてColibbonを立ち上げてITを活用した支援事業・教育事業を行っております。
その中でも2019年4月から開始した子どもプログラミング教室はColibbonのメイン事業となっております。
はじめは、北大阪朝鮮初中級学校の低学年児童を対象にしたタブレットを使ったプログラミング教育から始まりましたが、学校教職員と保護者の方々や支部委員長のご協力・ご支持をいただき現在は3年目に突入しました。
教育拠点も北大阪朝鮮初中級学校と生野南支部の2か所となり、対象学年も低学年から高学年まで拡大して実施しております。
第6回までのコラムですでにプログラミング教育の重要性やメリットについてはお話しているのでここで特に目的を再度お話しませんが、子どもたちが学習対象について調べ考え習得していけるよう授業を実施しています。
今回は低学年の教育について紹介します。
Colibbonの低学年の学習活動について
現在低学年では8インチの小型タブレットを使って1年間に20回前後授業を実施しています。
あらゆる教材からColibbonが選び抜いたプログラミング教材は主に3つございます。
1.Viscuit(ビスケット)
自分でオリジナルの絵を描いてそれを動かしてアニメーションやゲームを作ることができる教材です。
言語が必要なく意外と奥が深いツールです。低学年でも楽しくプログラミングすることができるプログラミング入門アプリです。
上のように魚の絵を描いて、メガネの左側と右側にその絵を配置します。
この時右側の魚の絵を左にずらすことで魚を左に動かすアニメーションを作ることができます。
初めて絵が動いたとき子どもたちはとても大喜びです。
さて、この魚を右に動かすためにはどうすればよいでしょうか?
その通りです。メガネの右側の魚の絵を右にずらせばいいのです。
つまり、メガネの左側に配置している絵の数秒後の変位を右側に配置すればその通りに絵が動くということです。
この変位の量が大きければ大きいほど絵の動きは速くなり、小さければ小さいほど絵の動きが遅くなるのです。
子どもたちはこの一つや二つの事象を通してプログラム作り方に関するルールやパターンを見つけ出し、そしてそれを活用してやりたいアニメーションを作っていきます。
これこそが前にお話した「学びのサイクル」ということになります。Viscuitはプログラミングを学ばせる上で絶対に手放せないツールとなっております。
2.codey rocky(コーディロッキー)
ロボットプログラミングはcodey rockyを使用しています。
codey rockyは、ロボットなので動くことはもちろん、LEDライトで顔を作ったり音を出すことができます。
また、物体との距離を測る赤外線センサー、色を識別するセンサー、重力加速度を測るジャイロセンサーなどの多機能センサーが搭載されています。
子どもたちがプログラミングする上では難しそうに見えますが、案外プログラミングレベルは単純です。
「こんにちはと言う」、「速さ50%で1秒前進する」といった命令文が書いている命令ブロックを並べてプログラムを作成していけばよいのです。
しかし小数・パーセント・角度を扱うことや漢字を読める必要があり、基本学力が必須となりますので、低学年にとっては基本学力の支援が必要になります。
3.プログラミングゼミ
プログラミングゼミはDeNA社が開発したプログラミング教育アプリです。
codey rockyとは違って漢字はなく児童の学力水準を考慮して作られたプログラミングアプリです。
レベルによって扱う命令ブロックを制限することができます。
また、たくさんのキャラクターを同時に動かしたり、動作を紐づかせたりすることが可能で比較的高度なプログラムを作成することが可能です。
以上の3つのアプリを基本教材として低学年のプログラミング教室を実施しています。
Colibbonでは3年目を迎えて授業の実績や教材、教え方のコツもだいぶ蓄積されてきました。
子どもたちが自分の力で課題を解決するために試行錯誤するよう授業も設計していけるようになり、子供たちも自分の力で作っていく楽しみや成功体験をどんどん獲得していっていると思います。
しかしまだまだ課題も残っているのも事実です。
今後もColibbonではプログラミング教室の教材と授業の研究を重ね、より良い授業を作っていこうと思います。
- Colibbonプログラミング教室はViscuit、codey rocky、プログラミングゼミを使ってプログラミング教室を実践している。
- 子供たちが自分の力で課題を解決するための授業設計を実施している。
次回は、高学年の教育内容について紹介いたします。