
10月1日~16日にかけて「朝鮮労働党創建80周年在日本朝鮮人総聯合会忠誠の書簡リレー代表団」の一員として祖国を訪問した、大阪トンポ通信編集部の鄭進トンム(朝青大阪府本部 宣伝文化部長)による特集記事です!
10月1日から16日にかけて、9年ぶりに祖国を訪問しました。
1日は北京で一泊し、翌2日に平壌へ到着。今回の代表団は、朝青、青商会、留学同、朝大生で構成され、大阪からも参加しました。


日程は大きく分けて、
•10月2日~7日:忠誠の書簡リレー練習期間
•10月8日~12日:党創建80周年記念行事
•10月13日以降:平壌市内の見学・参観
という流れでした。
行事が続いたため、ゆっくりと参観できる時間は多くはなかったのですが、その分、一瞬一瞬の体験が濃密で心に残るものとなりました。
本投稿では、今回の祖国訪問を次の3つの視点から振り返りたいと思います。
①忠誠の書簡
②朝鮮労働党創建80周年記念行事
③発展する祖国の姿
①忠誠の書簡
-総聯書簡リレー代表団として-
10月2日、私たち総聯書簡リレー代表団は平壌に到着しました。
この総聯書簡リレーは1972年から続く伝統ある活動であり、半世紀にわたり在日同胞の変わらぬ精神と心をつないできた誇りある運動です。今回の代表団も、その歴史の一端を担うという使命感に包まれていました。代表団は朝青、青商会、留学同、朝大生のメンバーで構成され、在日同胞を代表して金正恩総書記に忠誠の書簡をお届けするという重大な使命を胸に、祖国の地を踏みました。
祖国に足を踏み入れた瞬間、緊張と誇りが同時にこみ上げてきました。とりわけ今回は、9年ぶりの祖国訪問ということもあり、感慨深いスタートとなりました。
平壌到着後は、贈呈式に向けた練習が続きました。リレーと聞いていたので「走るのかな」と思っていましたが、初日の練習で私たちの目に飛び込んできたのは電動自転車でした。




多くの方が想像する日本の電動自転車とはまったく違い、ウリナラの電動自転車はまさに“オートバイにペダルがついた”感じで迫力ある姿でした。最高時速は約60キロ。自転車ですから無免許で運転できると聞いたときには思わず笑ってしまいました。
練習は5人1組で隊列を組み、速度を変えながら横列・縦列をぴたりと合わせて走るものでした。午前・午後にわたる練習を重ね、団員同士の息も次第に合っていきました。


10月7日、いよいよ金日成競技場で行われる忠誠の書簡贈呈式の日。私たちは西山サッカー場を出発し、電動自転車で約12キロの道のりを走破しました。沿道では多くの平壌市民が拍手と歓声で迎えてくださり、「同じ民族、同じ人民」としての温かさを全身で感じました。
平壌市内を駆け巡り、発展した祖国の姿をこの目で直接見られたことは、何よりの喜びでした。
普段の訪問ではバスの窓越しにしか見ることのできない街の風景を、今回は電動自転車に乗って肌で感じることができました。凱旋門の中を駆け抜けた瞬間、胸の奥に熱いものが込み上げ、言葉にならない幸福を感じました。
そもそも「電動自転車で平壌市内を走る」という経験自体が、誰にでも容易にできることではありません。祖国の懐の中で、在日同胞として特別な使命を果たせたことに、深い感謝の気持ちを抱きました。
競技場には、朝鮮国内の代表団や在中朝鮮人総聯合会の代表団も一堂に会し、数万人の観衆が見守る中で贈呈式が始まりました。壇上に進んだ総聯代表団の李光日団長は、最高人民会議常任委員会の崔竜海委員長に在日同胞の熱い心が込められた書簡を丁重に手渡しました。
その瞬間、「私たちは祖国と確かにつながっている」と強く実感しました。代表団の中では緊張よりも誇りと連帯感があふれ、世代や地域を超えて同胞青年たちが一つに結ばれたことを実感しました。
この経験は、私にとって一生忘れられない瞬間となりました。


②朝鮮労働党創建80周年記念行事
-祖国の力強さと人民の団結を肌で感じて-
今回の訪問は、 조선로동당창건 80돐(朝鮮労働党創建80周年)という歴史的節目に行われました。
朝鮮労働党創建80周年を迎えた平壌では、10月9日から12日にかけて、祖国の誇りと発展の姿がまさに凝縮された盛大な祝賀行事が連日にわたって行われました。慶祝大会・大マスゲームと芸術公演、そして金日成広場での閲兵式が行われ、世界の注目が平壌に集まりました。
この歴史的行事には、在日本朝鮮人祝賀団、忠誠の書簡リレー代表団、社会科学者代表団、朝鮮大学校卒業学年学生祖国訪問団など、100人を超える在日同胞が招かれました。私たちの代表団もその中に名を連ね、祖国の発展をこの目で確かめる貴重な時間を過ごしました。
9日の慶祝大会では金正恩総書記が演説に立たれ、海外同胞の名を呼びながら「異国に住むすべての同胞たちに温かいあいさつを送る」と述べられた瞬間、胸の奥から熱いものが込み上げてきました。
十数万人の観衆の中で、在日同胞はほんの百人あまり。それでも総書記の口から「在日同胞」という言葉が発せられたとき、私たちは確かに祖国の一員として受け入れられているという実感に包まれました。
9年ぶりに祖国の地を踏んだ私にとって、この瞬間は決して忘れられません。学生として訪れた頃と比べ、より強く「総聯活動家としての自覚」を感じる場でもありました。
隣に座る学生たちが目を潤ませている姿を見て、「この子たちが次の世代を担っていくのだ」と思うと、自然と胸が熱くなりました。

10日に行われた閲兵式では、金日成広場を埋め尽くした平壌市民と軍人の整然とした姿に圧倒されました。
夜空を照らす照明、整列した兵士たちの力強い行進、そして時折こだまする「만세!」の声。
その一つひとつの場面が、党と人民の深い信頼関係、そして「自分たちの力で祖国を築く」という揺るぎない自負を物語っていました。
誰もがその瞬間、「朝鮮人である誇り」を胸いっぱいに感じていたと思います。



11日に行われた青年たちのトーチマーチでは、無限大のエネルギーが平壌の夜空を照らしました。
一人ひとりが炎を掲げて行進する姿には、「社会主義建設の主力は青年である」という力強いメッセージが込められていました。
その姿を見て、私たち在日青年も「同胞社会の未来を支える存在として、祖国の青年たちのように力強く生きていこう」と決意を新たにしました。






今回の党創建80周年記念行事は、祖国の力強さ、そして人民の団結を全身で感じる時間となりました。
どんな困難の中でも前進を止めない祖国の姿は、私たち在日同胞にとって何よりの希望であり、進むべき道を示してくれる羅針盤のような存在です。
日本で活動する総聯、朝青、青商会、留学同の私たちに求められているのは、この祖国と共に同胞社会をさらに強くしていくことだと感じました。
9年ぶりの祖国訪問を通して、私は改めて決意しました。
「この胸に灯った誇りの火を、決して絶やすことなく、次の世代へとつないでいきます。」と…

③発展する祖国の姿
-躍動する平壌の姿を目の当たりにして-
今回の訪問を通して、私は発展する祖国の姿を肌で感じることができました。9年ぶりに訪れた平壌の街並みは、以前の記憶をはるかに超えるほどに整然と美しく、そして近代的に変貌していました。まるで祖国の未来を象徴するような光景が、街のいたるところに広がっていました。





私たちは祖国の文化・経済・生活の発展を象徴する数々の場所を参観しました。まず訪れたのは、祖国人民の代表的な食堂である玉流館(옥류관)でした。国家の特別な配慮のもと、私たちは「肉盛り冷麺(고기쟁반국수)」をいただきました。かつて王族や貴族しか味わえなかったというこの料理を、今では人民が自由に楽しめる、それこそが社会主義祖国の温かさであり、人民のための政治の姿だと深く感じました。
余りに美味しかったので麺400グラムを2杯も食べてしまいました。笑



さらに、軽工業製品展示会《軽工業展–2025》では、全国の工場や企業が出品した数多くの名品を通して、国の工業力の高さと人民生活の向上を目指す努力を実感しました。展示会場で見る製品一つひとつに、祖国の繁栄が着実に前進していることを肌で感じました。





江東総合温室農場(강동온실종합농장)も参観しました。短期間のうちに建設された最新型の温室群には、完全自動化された栽培システムが導入されており、都市の食卓を支える新しいモデルとして大きな役割を果たしていました。機械化・知能化が徹底されたその姿を見て、祖国の農業が科学技術の力によって新しい段階へと進化していることを強く感じました。






◆その他参観した場所
-錦繡山太陽宮殿 ※撮影出来ませんでした。
-大同江ビール館・火星通り




-朝鮮革命博物館(社会主義強国建設に関する展示、海外同胞館) ※撮影出来ませんでした。
-主体音楽芸術発展館 ※撮影出来ませんでした。
-平壌地下鉄





-月香展示館




-昌光通り食堂での昼食
(愛知・成光順同胞の配慮)




-総聯驛前食堂




-乙支峰食堂
(大阪・帰国同胞の配慮)




そして何よりも、私の心に深く残ったのは「食」でした。
どの料理も味わい深く、心のこもったもので、まさに“人民の幸福”を象徴していました。特に平壌ホテルの食事はどれも絶品で、滞在中、毎回の食事が楽しみでした。私個人の感想ですが玉流館や総聯驛前食堂などの外食より平壌ホテルの食事が一番美味しかったです。





この食事には、祖国の人々のもてなしの心と、豊かな暮らしを人民に保障する社会主義の力が込められていると感じました。
祖国は発展し、変化しています。しかしその根底には、人民を愛し、生活を豊かにしようとする変わらぬ思想と温かさがありました。
外に出ると、そびえ立つ高層ビル群、整然と整備された街並みが広がり、どの食事も美味しく、生活の中で不自由を感じることは一つもありませんでした。むしろ「本当にウリナラに来たのか?」と思うほど、日本での生活と大差のない快適さに驚かされました。
私はこの祖国の姿を胸に、日本で生きる同胞社会の中でも、誇りと希望をもって歩んでいきたいと強く感じました。
9年ぶりの祖国訪問を通して、私は改めて祖国の寛大さを感じました。
どんなに離れて暮らしていても、祖国はいつも在日同胞を温かく迎え入れてくれます。
その懐の広さ、そして確かな発展の姿を目の当たりにし、「この国をもっと深く理解し、もっと強くつながっていきたい」と心から思いました。
祖国で感じた誇りと感動を胸に、これからも日本での活動に力を尽くしていきたいと思います。
そしていつか、また新しい姿の祖国を見に行ける日を楽しみにしています。
◆おまけ
コートを作りました。オーダーメイドを任せたのですが、祖国の人民が着てる服みたいなのが届きました。

代表団のみなさんスゴハショッスムニダ。
各支部などでも帰還報告会を予定していますので、今回の特集記事を読んでもっと詳しい話を聞きたいと思った方は、最寄りの支部までお問い合わせください。
わいも祖国に行きたくなってきたな。
玉流館でのわいの記録は6杯だぜ!


